こんにちは、Daiです。
首都圏の「都市SUP(スタンドアップパドルボード、通称サップ)」において、最も盛り上がっている横浜大岡川。
facebookから流れてくる大岡川での「お花見SUP」の美しい桜の画像を眺めていたところ、突如「行くなら、今じゃね!?」と思い立ちました。
横浜市の行政及び大岡川流域の地元関係者と共に、横浜の水辺を開放する活動をリードされてきた水辺荘。その拠点をお伺いすることにワクワクしながら、横浜まで車を飛ばします。
当日は、晴天で風も無く桜は満開!とサイコーのコンディション。
水辺荘の事務所前でご挨拶を交わしたのち、山崎さんの口から続いた言葉は・・・
「このあたり一帯は、昔、売春・麻薬街だったんですよ。。。」
「ひょえ~!!!マジですか!?」
と、いきなりド肝を抜かれるお話(笑)
「この辺の建物の間口、狭いでしょ?つい最近まで1階が飲み屋のテイで2階で・・・っていう売春宿の名残り*2なんですよ。」
確かに、1階部分が妙に狭いガラス戸が立ち並ぶ妙な景観。水辺荘も横浜市が借り上げた売春宿跡地を改装して借し出された場所とのこと。
© Google Street Veiw
言われてみれば、学生時代にアムステルダムで見た「飾り窓*3」を彷彿とさせるような気もしないでもない。。。
桜でにぎわう整備された遊歩道の街並みからは想像できないウラ歴史。
しかも「つい最近まで*4」って。。。ディープ過ぎる。。。いきなり予想だにしなかった土地の歴史に衝撃を喰らいます(笑)
そんなウラ歴史の場所で、SUPに空気を入れるべくポンプで「ピストン運動」するなんて(爆)
現在では想像できないような歴史の妙!?を感じつつ、SUPエントリー場所の桜桟橋へ!
▲壁面レンガが横浜らしくていいですね!
もともとは先に述べた売春・不法滞在の集中取り締まり後、街の環境浄化政策の一環として桟橋が設置されたという経緯らしいのですが、キッカケはどうあれ行政と地域の協力により水辺が解放されたのは素晴らしい。
そして、晴天の天気の下、 満開の桜の中をいざ出発!
花見SUPの名所である弘明寺方面を目指すべく大岡川を上って行きます!
しかし、どうも個人的には「花より団子」ならぬ「花より運河!?」のようで、つい別のところ!?に目が行っちゃうんです(苦笑)
▲「この先はどこにつながるんだろう。。。」
▲「こんなに入りやすい場所があるなんて!」
やっぱり横浜といえば「みなとみらいの水辺!」との考えが頭をよぎり(苦笑)
「山崎さん、みなとみらい行けますかね。。。」
「えっ、桜はいいの!? 」
ということで、急遽、方向転換し川を下ることに(苦笑)
散歩中の園児たちも我々を見て、キャッキャ喜んでくれます!
そして、 横浜インナーハーバーを目指す途中に現れたのは。。。
完全にアジア的情景。
ここは「都橋商店街*5」と言って、前回の東京オリンピック開催時(昭和39年)、本通りをきれいに見せる為に、通りに並んでいた露店や屋台を収容するため建てられた建物だそう。
よく見ると、護岸の荷降ろし場をレンガで埋め立て、その上に建物を造るという前代未聞の建造物!そのアナーキーっぷりにまたしてもド肝を抜かれます!
さらには、店舗に水辺を望むデッキを勝手に作っている違法建築!?たち!
▲さすがに右上はアウトかと(苦笑)
スゲー!!私も持ち主だったらコレ絶対やってるはず(笑)
こういうのを見ると「法律やルールを守れ!」というもっともなご意見もあると思うのですが、少なくとも水辺資産に価値を見出し、活用しようとする意気込みや姿勢はむしろ評価されてもよい!?ものだと思うんです。
目の前の水辺に背を向け無関心になるぐらいなら、誰かがグレーなところを攻めてみることで問題提起となり、水辺活用への何かしらキッカケになるかもしれない!という意味で十分に意義があると考えています!!
引き続き、山崎さんとの横浜水辺談義に夢中になりながら、インナーハーバーに到着すると。。。水辺に広がる港湾近代化遺産の数々が!
▲ 1968年に竣工した万国橋倉庫はリノベーションされ専門学校校舎や事務所として復活!
▲1934年竣工の横浜税関。資料室には偽ブランド物の展示なんかも!
▲ご存知「赤レンガ倉庫」。我々世代的には「あぶない刑事」!
▲横浜港発祥の地「象の鼻パーク」!
SUPを漕ぎながら、山崎さんより詳細にわたる解説を受けます。まさに「街に歴史あり」ということをまざまざと実感。
「近代建築物を活用する」という横浜市の積極的な取組みの成果は素晴らしい。さらに市は近隣の水辺の開放に向けても動き出しているとのこと。さまざまな問題はあるようですが、行政のリードは本当にうらやましい限り。。。
こういう古い石橋1つとってみても・・・
天井には行政による強度調査のチョークがびっしりなんですよ。
一方、ココでも見つけてしまった!?建造中の水陸両用車両用スロープ。。。
このところ、お台場といい行政がやたら「水陸両用車推し」*7なのが、個人的にはさっぱりわからないのです(苦笑)。コレ、一回乗ったら二度と乗らないと思うんですよね。。。しかもきっとスロープはココだけだと思うので、周辺をぐるっと回って戻ってくるというオチじゃないかと。
私の嗜好がマイノリティなのは自覚しているものの、それこそ水辺荘が体験ツアーを開催しているEボート*8や和船*9、カヌーもしくはベネチアのゴンドラ!なりを走らせたほうがよっぽど魅力的な水辺になるんじゃないかと。
▲空気で膨らますEボート ©水辺荘
水辺で潮位の変化を知り、海風を受け少人数で波に揺られながら移動する。水辺を活性化させる原動力は、お仕着せのアトラクションでは無く五感で感じる興奮だと思うんです。ホント。
山崎さんは、日本を代表するスーパーゼネコンに勤務されてきた中で大手デベロッパーや大手広告代理店に委ねられた街づくりのプロジェクトに携わるにつけ、「水辺」という余白の魅力や可能性をもっと独自の視点で広げたい、という想いから独立されたそうです。
きっと、それは都市の再開発や整備という一見ポジティブな側面の裏にある「造ろうと思っても人工的には作ることができない、過去から授かった景観や風情といったものの価値」をどう捉えるか!?ということも考えていらっしゃるんだろうなと。。。
私自身、豊洲という再開発の最たるエリアに住んで8年目に。整備され管理された清潔な街の中で生活していると全く気づけなかったたものの、SUPで水辺に出てみて改めて認識した「最後の余白」としての水辺の魅力。
水面からの「見た事のない視点」というだけで、そこから土地の歴史やストーリーに気づき、それをキッカケにさらに好奇心が触発されるんです。ただSUPしてるだけにもかかわらず、モノの見方や考え方が大きく変わりました。
そんなことをできれば豊洲の子ども達にも実感してもらいたいな~なんて1人願うのでした。。。
★水辺荘のSUPツアー情報は、facebookページを「いいね!」で ↓