こんにちは、Daiです。
いつもお世話になっている横浜の水辺荘代表、山崎さんより「広島視察SUP(スタンドアップパドルボード、通称サップ)ツアーを検討しているんだけど、行く?」とのお誘いを頂きました。
念願の西日本へのSUP遠征。ソッコーで「行きます!」とお返事したものの、折角ならば都市SUPクルーズのメッカ、大阪にも寄りたい!との思いがアタマをよぎり、「3連休にして、大阪も寄っちゃったりしません!?」と山崎さんに提案してみると・・・
「大阪もいいね!」
とガゼン盛り上がり、山崎さんの全国に広がる水辺人脈を駆使した『春節遠征SUPツアー』が企画され、水辺荘の有志の皆さまと共に参加させて頂いたのでした!
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まさかの初雪&極寒に見舞われた東京を早朝に出発すると、念願の大阪、大川沿いの八軒屋浜に到着!曇り空で肌寒いながら東京よりはマシな天気(苦笑)
ご存知のとおり、大阪は経済と文化の中心的都市として発展してきましたが、その背景には水運の発達があり、明治の頃には「水の都」とも呼ばれていたんですね。
市内の中心部には「ロ」の字のようにぐるっと巡ることができる「水の回廊」があり、2009年に開催されたシンボルイベント「 水都大阪2009」をきっかけに、船着場の整備を始め護岸や橋梁のライトアップなど、さまざまなプロジェクトが進められてきたのでした。
今回、お世話になるのは日本シティSUP協会「水上さんぽ®」を主宰されている奥谷崇さん。都市SUPクルーズのパイオニアとして、大阪の水辺行政と掛け合いながら最前線で水辺の活動をリードされて来られた方なんです!
活動拠点である「川の駅はちけんや」にて今回特別に企画して頂いたスペシャルなコースと大阪の水辺の歴史についてブリーフィングをして頂きます。
出発前には、大阪名物「円形SUPボード」に皆で試乗。コレ、まさかの「こたつ」を乗せられる仕様になっているという斬新なSUPボード(笑)
そして、いよいよ「回廊ツアー」の準備が整ったところで、いざ出発!
琵琶湖から大阪湾へとつながる淀川のかつて本流であった旧淀川は、上流から大川(おおかわ)、堂島川(どうじまがわ)、安治川(あじがわ)と区間毎に名称が変わります。
大川を出発すると、すぐに堂島川と土佐堀川に挟まれた中洲である中之島公園の東端「剣先」にある大噴水がお出迎え。
我々は北側の堂島川を漕ぎ進んでいきます。
歴史的建造物やオフィスビルは水辺に開かれ、水辺の景観の中にレストランやショップが構成されているという解放感は本当に素晴らしい!
開けた空とオフィスビル群という抜群のロケーションの中を漕ぐ!
これぞ、シティSUPクルーズの醍醐味!
堂島川から見える景色を堪能し安治川へ入ると、中央卸売市場に面した関西初の水上レストラン「CORAL KITCHIN at sea」に桟橋からSUPで上陸!
オシャレなランチにそぐわない恰好(苦笑)でお腹を満たした後は、木津川を南下。護岸には一般公募から選ばれた1.5m×15mの沢山のウォールペイントがお出迎えしてくれました。
なんとも独特な形状の「京セラドーム大阪」が顔をのぞかせると、平成12年に建設された道頓堀川水門が現れます。その形状がこれまた独特で「松本零士」先生的造形。
この水門は高潮防止はもちろんのこと、よどみがちな道頓堀川と東横堀川へ大川の水を取り入れべく設置されたそうなのですが、船の通過させるために水位を調整する閘門(こうもん)機能も備わっています。
水位が上下する閘門の中へSUPで突入するとちょっとワクワク。ただこの日の潮位差が10㎝程度でしたので、ほとんど上下した感覚はなかったんですけど(苦笑)
水位調整が済みゲートが開くと、いよいよ道頓堀川へと突入!
街並みが賑わいをみせはじめ、橋や沿道の訪日外国人らしき皆さまからガンガン手を振られます!もちろん、こちらも笑顔で対応!
そして、繁華街ミナミの中心に位置し、2003年の阪神タイガースリーグ優勝時には5300人ものファンが飛び込んだというダイブのメッカ!?「戎(えびす)橋」に到着。
戎橋といえば、もちコレ!
ということで、皆でグリコポーズ!
平成16年、道頓堀の両岸に設置された親水性の高い遊歩道「とんぼりリバーウォーク」。ここから観光船に乗ることもでき、かつてとは違った賑わいや川の風景、まちの風景が楽しるようになったに違いない!
しかし、その先の日本橋(にっぽんばし)を通り抜けると、景色は一変。建物は背を向け日陰な存在であるかつての道頓堀川の景色に。
親水空間の設置によってここまで街の賑わいが変わるのか!?とそのコントラストに衝撃を受けながら、最後の川となる東横堀川を上流方向に漕いでいきます。
400年以上前に豊臣秀吉により大阪城の西側のお堀として開削された大阪市で最古の川である東横堀川。気づけば高速道路の高架に覆われてしまったその川は、見慣れた東京の水辺の風景に近い。。。
東横堀川にかかる大阪市内では現役最古の橋「本町橋」。下から見上げると非常に趣のある鉄橋ですが、きっと地上を歩いていると気づかないんだろうな(苦笑)
そして、スタートした大川とぶつかる東横堀川水門にて再び水位調整し・・・
再び「剣先」の大噴水が出迎えてくれたのでした!
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戦後、大阪では急速な経済発展に伴う地下水汲み上げにより、もともと低地だった地盤がさらに低下する事で度重なる水害が発生。沿岸部には防潮堤を築くことで水害対策は実現された一方、無機質なコンクリートの護岸によって水辺と陸が分断されることになってしまったのでした。
それが、2001年に国の内閣官房都市再生本部によって都市再生プロジェクトに指定されたことをキッカケに、「水都大阪」をテーマとした行政と経済界による新しいムーブメントがスタート。シンボルイベント「水都大阪2009」の開催に至ったんですね。
「3年前に大阪に来たときからも大きく変わっているよ。。。」という山崎さんの言葉どおり、現在もなお水辺の街づくりの計画が進んでいる水都大阪。
お話を聞きながら「水の回廊」12㎞を漕いでいると、全国の水辺をリードするその成果や今後の更なる発展を感じずにはいられません。
奥谷さんはSUPを通じて多くの人が水辺に触れる機会を積極的に提供されているのですが「でも、ゲリラが一番楽しいよね(笑)」とも。
ですよね~!
東京も「MIZBERING」をはじめとした皆さまの活動のお蔭で、水辺環境が少しづつ変化しはじめています。ただ、そこは立場もあるのでお行儀は良くならざるをえないかなと(苦笑)
それはそれとして、グレーな部分に切り込むもうちょっとゲリラ志向の地元の仲間が増えたら東京の水辺ももっと面白くなるんだけどな・・・