こんにちは、Daiです。
昨年、江東区が募集していた豊洲ふ頭の外周に作る水際緑地や公園の管理運営についての民間提案、私がしたためた「艇庫の設置」と「人口砂浜」について*1、詳細を確認したいとのことで江東区より個別ヒアリングに呼ばれました。
管轄は土木部河川公園課。ヒアリングは区役所隣の防災センター会議室で行われるとのこと。
会議室に入ると、先方は江東区の4名の担当者及びアドバイザリーに入っている某コンサルティングファームの女性。
なんだか、面接というかオーディションというか独特な雰囲気(笑)。提案側も4名まで参加OKとのことで4名分の資料が準備されていました。
そこに単身で乱入してきた私服で髪の毛がクルクルしているおっさんを目の前にし、先方も
おひとりですか!?
とちょっと意表を突かれた様子。
そーです!コレなんだか、面接みたいですねぇ~(笑)
なんつって、アイスブレークがてら自己紹介をし始めると、
あ、まずは、本日の実施要領を説明します。提案者は・・・・し、その後、江東区から質問を・・・・
はいはい、段取りありますよね。。。すいません(苦笑)
では、今回の提案のご説明をお願いします。
よし来た!
まず、我々は公園等の運営管理業者ではないこともあり、今回は豊洲に7年弱住む地元住人として感じていることを民間提案に反映させて頂いております!
と、いきなり江東区が求めている提案の趣旨と全然違うことを宣言(爆)
全体のコンセプトは「水辺の解放」~日常的に水辺と親しむ環境づくり~というものです。
大前提として、豊洲のみならず江東区には目の前に豊かな水辺資産があるにもかかわらず、鉄柵や護岸によって陸と完全に断絶されている状況が非常に勿体ないと感じています。
わざわざ遠くの自然まで足を運ばなくても、地元民を中心に目の前にある水辺の自然に触れ親しむことで、水質の問題、潮位の問題、漂流するゴミの問題、そして生き物の存在への意識が高まり、現状水辺が「汚い、キケン」と思われていることへの意識が必ずや変革されると思っています。
そしてそれは、豊洲に育つ子どもたちの地元への愛着や感性の醸成に非常に役立つと考えています。
江東区も「水彩都市」を標榜する以上、これまでとは違った水辺へのアプローチに取り組んで頂けると幸甚です。
では、「地元住民が日常的に親しむ環境」というのが、具体的にどういう環境であれば促進できるかという視点で2点、「艇庫の設置」と「人口砂浜、親水型護岸」について提案させて頂きます!
といった感じで私も段々とエンジンがかかってきました(笑)
「艇庫の設置」や「人口砂浜、親水護岸」について、担当者の方々もイチ個人としては面白いと共感して頂けている印象。
そして質疑応答からは、笑いと共に行政の本音も交えたかなりざっくばらんな意見交換となりました。
行政の立場のお話を聞く限り、結局つまるところ、自己責任についての日本人の認識が、ここ数十年来明らかにおかしなことになっているということなんじゃないかなと。モンスターペアレンツ問題なんかと同根ですわ。
そういう意味では、行政の皆さんは本当に大変だなと。。。
私の提案の現実性は正直難しそうですが(苦笑)、行政にお願いしたいこととして、現在の水域利用に関する概念や規制が「単発のイベント」を前提としていることに対し「日常的に使えること」という視点も加えてほしいと伝えました。
例えば、水陸両用バス用スロープの設置予定場所近くにある江東区シビックセンターや豊洲西小の窓口で、水辺を利用する際の注意点やルール、自己責任の署名を行い「水域利用許可証」を交付する。
そして、原則その許可証があれば日常的に自由に水辺に出入りできるようにする!とか。
江東区の担当者には私が普段から運河沿いの柵を越えていること、江東区内の様々な運河をSUP(スタンドアップパドルボード、通称サップ)で自由に漕いでいることは伝えています(笑)
担当者から「逆にスロープ利用(民間業者の運営で有料化になる模様)や水域利用を許可する仕組みにすることで、通常時はスロープに入れなくなったり、水域範囲が限定されることでDaiさんにとってはむしろやりにくくなってしまいませんか!?」とのご指摘。
うーん、自分で自分の首を絞めているという感覚(苦笑)
でも、いいんですわ!SUPなんてどこでもできますから!地元住民がもっと水辺で遊ぶと楽しいよ!子どもと一緒に地元の水辺で遊べたらサイコー!ということを実現したいというのが目的なのです。
担当者に私が実現したいことは都議会議員、区議会議員、東京都、江東区、豊洲地区ルネサンス協議会、TOYOSU会議、の誰に言うのが効果的!?なのか聞いてみました。
すると「 う~ん、行政ですかね。。。」と。それホント~!?その行政とは、東京都港湾局と江東区のことを指しているんだと思いますが、そこにはルネサンス協議会も絡んでますよね(苦笑)
運河で「遊ぶ」上で現状の課題点をある論文の指摘から挙げると・・・
- 法規制・申請手続きが複雑で煩雑
- 運河空間の未整備箇所が存在
- 桟橋等の施設管理の担い手が不明確
- 協議会内の意見調整が困難
- 資金的支援がなく独自の予算確保が困難 etc
まぁ、こんな感じなわけです(苦笑)完全に萎えますよね。。。
そんな折、盟友ヤー君からの面白い情報が!
アメリカで今アツいらしい!?新しいライフスタイルのコンセプト「タクティカル・アーバニズム(TU)」。「長い目で見て社会を変えるために、市民が起こす小さな行動」それが「TU」の定義とのこと。
行政がやってくれないサービスを自分たちでゲリラ的に作ってしまいながら、それが行政や政府、企業を巻き込んで協力が得られるようになるという取組み。
例えばノースカロライナ州ラーレイの町には、いたるところに徒歩の所要時間が書かれた手作りの標識あるそう。コレ「徒歩移動の普及」に力を注いでいる一人の市民が勝手に標識を張り出したところ「便利」と市民の評判を呼び、ついには市役所の予算で歩行者専用道路が設定されるまでに。といった具合に。
ただ、この「TU」。きっと新しいコンセプトでもなんでもなく、過去において自然発生的に起きていたことのはず。それが都市部においては、人口増加や都市整備といった発展に伴い、さまざまな規制やルール・行政組織がどんどん作られ、またそれが複雑に絡み合うことで気づけばがんじがらめで身動きのとれない、よくわからない状況になっちゃたんじゃないかと思います。
そんなやたらと面倒くさくなってしまった都市部において、誰かが「勝手に」ちょっとした穴をあけたら、それが共感を生み広がって行政も背中を押してくるようになったということなんじゃないかと。
それをLOHAS(Lifestyle of Health and Sustainability)みたいな感じでTUもファッション的に捉えられるとなんとも微妙な感じではありますが、ま、「ゲリラ」というと反体制的でネガティブなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれないので(苦笑)「TU」ということでイメージが緩衝されたり、多少なりとも話題になったり伝わりやすくなるのなら、私も「タクティカル・アーバ二ズム!」「TU!」を声高に叫んでいきたいと思います(笑)
ビバ!TU!!(爆)